帰還しました。

【8月2日】
食料の買出し&装備点検。
いよいよ夏山が始まる・・・


【8月3日】
出発。
JRで新宿から長野の伊那大島まで10時間近く電車移動。
伊那大島駅でタクシーの運ちゃんから桃を4つもらう。
小淵沢で出会った栃木から来たという夫婦と伊那大島で再会。
桃を1つあげる。
話してると塩見岳に登るということでタクシー相乗りすることに決定。
次の日に備えてバス停のベンチで寝る。
が、トラックの走る音で眠れず。
結局2〜3時間しか寝れず…


【8月4日】
伊那大島からタクシーで鳥倉林道のゲートに向かう。
とうとう夏山が始まる。
が、事件は起きる。
以前から腰を痛めていた同期の腰が悲鳴を上げてリタイヤ。
なんと2人で行くことになる。
荷分けをする。
・・・重い。
その後は無事に三伏峠に到着。
2人ではいつものようにトランプも出来ずラジオで巨人戦を聞く。
晩のチンジャオロースは美味かった。


【8月5日】
三伏から塩見小屋に移動。
最後の急坂はきつかったが行程時間が短く昼前には小屋に到着。
めちゃくちゃ遠くて険しい水場に行く。
小屋のバイトのねーちゃんのふくらはぎの筋肉に驚く。
小屋では色んな登山者としゃべった。
学生は俺ら2人だけでおじさん、おばさんによく話しかけられた。
小屋の飯は意外とうまかった。
その日は7時半には寝た。


【8月6日】
塩見小屋から熊の平に向けて出発。
塩見岳までは険しかった。
いつもなら足が届くはずが荷物が重すぎて届かない。
どうにか塩見岳登頂。
天気がよくて最高だった。
熊の平までの道は稜線で景色も天気も良かった。
ただ最後は荷物のせいで疲れ果てる。
テント場近くの川沿いで外国人カップルと出会う。
これはしゃべるチャンスだと思って話しかけてみる。
アメリカ出身で十日間日本に滞在するらしくて北岳方面から入り次の日は塩見岳に行くと聞いた。
俺が簡単な英語で話しかけたら“cool”連呼してた。
異文化コミュニケーション。


【8月7日】
熊の平から農鳥小屋まで移動。
途中の水場で親子連れと会う。
おじさんと話すと前日北岳付近で女性が足を滑らせて死亡したと聞く。
凹みました。
次の日に北岳にいく予定だったし…
とりあえず農鳥小屋に到着。
4日目にしてとうとうかかってしまった4日目病。
山にこもって4日目あたりにものすごく帰りたくなる病気。
後輩もかかる。
テントをたてて飯食ってからピストンで農鳥岳に向かう。
荷物が軽いのでぶっちぎりでコースタイムを切る。
あまり天気が良くなかった。
農鳥で出会った3人組の老グループから写真を撮ってもらう。
そして交代で撮ってあげた。
「あんたたちは披露宴でこれ見せな(笑)私らのは祭壇用だから…」
そんなことを言われたら反応できないよ・・・
テントに戻ると富士山が頭を見せる。
景色は最高だった。
そして夜になるとテントから甲府の夜景が見られた。
めっちゃキレイだった。

が・・・
その日のラジオで台風7号が近づいていることを知る。
次の日は間ノ岳北岳に登る予定。
ただ北に行くのは危険だと思い間ノ岳から下に逃げることにする。
その日の夜から風がビュンビュンでやばかった。


【8月8日】
2時起きで4時発。
やっぱ天気が悪い。
間ノ岳に登る途中は一瞬天気が回復したがそのうちガスってきて雨が降ってくる。
山頂では全く景色がなかった。
それから急坂を下ることになったが雨でメガネが濡れるわ、曇るわで視界最悪。
その上雨で地面がスリッピーになっている。
鎖が一箇所あってマジで怖かった。
それから何とか両俣小屋まで移動。
今日のうちに帰れると思い広河原を目指す。
が8キロにも及ぶ工事用道路が立ちはだかる。
なんといっても面白くない上に疲れが一気に来る。
足も負担がかかり工事用道路の最後あたりで今日の帰宅を断念。
今日は広河原でキャンプしようということになる。
そして最後の林道を歩く。
その時はすでに8時間以上歩いていて疲労困憊。
キャンプ場まであと15分というところで休んでいると警備の車が休んでいるとこで止まって中からおっちゃんが話しかけてきた。
「君らどこまで行くの?」
俺「広河原です。」
「いつ帰るの?」
俺「明日です。」
「明日は帰れんぞ。台風来るから道閉鎖するから。今日の4時が最後のバスだよ。」
そのときすでに3時半。
俺「マジすか?」
「おー。急げよ。」
おっちゃんに感謝しつつバス停まで急ぐ。
するとバスが俺らを追い抜く。
もうテンションがやばくなってる俺らはバスを追っかけて走ると何と止まってくれた。
中にいたおばちゃんが気づいてくれて止めてくれたのだ。
それに乗って何とか甲府まで帰ることが出来た。
怒涛の日だった。
甲府について湯村の明治温泉というとこに行って飯食って終電で帰った。
家に着いたのは12時半。
2時におきてから20時間後帰宅。


もうおなかいっぱいだ。
こうして夏山は終わった。
甲斐駒と北岳に登れず…
卒業までには再履修だな。
もちろんピストンで(笑)



夏山ロング日記。